質問者「日銀が利上げ」「円高」「原油高」…ニュースでよく聞くけど、自分の株にどう関係するのかよくわからない…
たすく実はこの3つ、一本の線でつながっているんだよ!今回は2026年9月に実際に起きていることを例に、順番に整理していくね。

「日銀が利上げへ」「円高が進む」「原油高」。
ニュースで毎日のように聞く言葉ですが、
それが自分の持っている株や、これから買おうとしている株にどう関係するのかを考えるのって
かなり難しいですよね。
実はこの3つは、一本の線でつながっています。
金利が動くと為替が動き、為替が動くと会社の利益が変わり、株価が動きます。
原油の値段は、物価を通じて金利に影響します。
- 金利・為替・原油・株・債券の「つながり」の全体像
- 2026年に起きた、理由のちがう2つの円高
- 円高で困る会社・助かる会社の見分け方
- 金利が上がるとハイテク株や債券がどう動きやすいか
- 優待株・高配当株を持つ人が確認したいポイント
メイン特典『僕が株を買うときに意識している5つのこと』とあわせて読むと、「いつ買うか」を判断する物差しを、どんな場面で使えばいいかが見えてきます。
※記載の数値・情報は2026年9月14日時点の報道等にもとづきます。本記事は特定の銘柄・債券・通貨の売買を推奨するものではありません。
まず全体像:5つのつながり
まずか大まかな流れを理解しておくと内容がスムーズに入ってきます。
| きっかけ | 起きやすいこと |
|---|---|
| 金利が上がる | その国の通貨が買われやすい(日本なら円高) |
| 円高になる | 輸出企業の利益が減りやすい/輸入企業は助かりやすい |
| 原油が上がる | 物価が上がり、金利を上げる理由になる |
| 金利が上がる | 株、とくにハイテク株などの成長株が売られやすい |
| 金利が上がる | これから買う債券の利回りが上がる(すでに持っている債券の価格は下がる) |
いずれも「そうなりやすい」という傾向です。実際の相場は複数の要因が重なって動くため、必ずこのとおりになるわけではありません。
① 金利とは「お金のレンタル料」

金利は、お金を借りるときに払う「レンタル料」です。貸す側から見れば、お金を貸して受け取るお礼です。
政策金利と長期金利
ニュースに出てくる金利には、大きく2種類あります。
| 種類 | 決まり方 | 影響するもの |
|---|---|---|
| 政策金利 | 中央銀行(日本は日本銀行、アメリカはFRB)が決める短期の金利の目安 | 景気や物価を調整する「アクセルとブレーキ」 |
| 長期金利 | 10年国債の利回りなど、市場での売り買いで決まる | 住宅ローンの固定金利など |
物価と金利はセットで動く
中央銀行のいちばん大事な役割は、物価を安定させることです。
- 物価が上がりすぎている → 金利を上げて、お金を借りにくくし、景気の過熱を抑える(ブレーキ)
- 景気が悪い → 金利を下げて、お金を借りやすくし、景気を支える(アクセル)
2026年9月の状況
- 日本:政策金利は1.0%。9月17〜18日の金融政策決定会合で1.25%に引き上げる方針と報道。実現すれば1995年以来、約31年半ぶりの高い水準。6月に1.0%へ上げてから3か月での利上げで、これまでのおおむね半年ごとのペースより速い
- アメリカ:政策金利は3.50〜3.75%。9月15〜16日のFOMC(アメリカの金融政策を決める会合)では利上げが意識されている(9月7日時点の市場の見方で約6割)
【公開前に記入:9月FOMCの結果(日本時間9月17日の早朝に発表)】
日銀の利上げの背景は、6月の利上げのときに書いた記事でも解説しています。
身の回りでは何が起きるか
| 対象 | 金利が上がると |
|---|---|
| 預金 | 利息が増えやすい(100万円を1年預けた場合、年0.1%なら1,000円、年1%なら1万円) |
| 住宅ローン(変動金利) | 返済額が増えやすい |
| 会社 | お金を借りるコストが上がり、借入の多い会社ほど利益が圧迫されやすい |
※利息の計算は税金を考慮していない簡略化した例です。
② 金利と為替:お金は金利の高いほうへ流れる

質問者金利が上がると、どうして円高になるの?
たすく同じお金を預けるなら、利息が多くつく通貨で持ちたいよね。その「お金の引っ越し」が為替を動かしているんだ!
金利の差が為替を動かす
日本の政策金利が1.0%、アメリカが3.50〜3.75%なら、
その差は2.5〜2.75%あります。
ドルで持っていたほうが利息が多くつくため、
円を売ってドルを買う動きが起きやすく、
円安になりやすいわけです。
逆に、日本の金利が上がる、
あるいはアメリカの金利が下がって差が縮まると、
ドルで持つうまみが減り、円が買われやすくなります(円高)。
為替は「決まる前」に動く
市場は予想で動きます。
日銀が実際に利上げを決める前でも、
「上げそうだ」と見込まれた時点で円が買われます。
ニュースで「利上げ観測で円高」という言葉が出てくるのはこのためです。
2026年に起きた、理由のちがう2つの円高
| 1回目 | 2回目 | |
|---|---|---|
| 時期 | 7月30日の夜 | 9月上旬 |
| 動き | 162円台後半 → 157円台後半(約5円) | 約160円 → 一時154円台(約6円) |
| 理由 | 政府・日銀による為替介入 | 日銀の利上げ観測 |
為替介入とは
為替介入は、急激な円安などを抑えるために、
財務大臣の判断で日本銀行が実務を担い、
円を買ってドルを売ることです。
2026年7〜8月の円買い介入は合計15兆3,993億円で、
円買いとしては過去最大でした。
介入は急な動きを一時的に止める効果が中心です。金利の差など根本の要因が変わらなければ、再び円安に戻ることもあります。
2回目の円高は、その「金利の差」という根本の部分に働きかける動きでした。
とはいえ、日本企業の海外投資の拡大などで構造的に円が売られやすい面もあり、
日銀の利上げだけで本格的な円高が続くとは限らないという見方もあります。
③ 為替と日本株:円高で困る会社、助かる会社

輸出企業は、円高で利益が減りやすい
海外で商品を売っている会社は、売上をドルなどの
外貨で受け取り、円に換えます。
同じ売上でも、円高になると円に換えたときの金額が減ります。
| 海外での売上 | 1ドル=160円のとき | 1ドル=154円のとき |
|---|---|---|
| 1万ドル | 160万円 | 154万円(6万円減る) |
※わかりやすくするための計算例です。
輸入企業は、円高で助かりやすい
反対に、原材料や燃料を海外から買っている会社は、
同じ1万ドル分の仕入れが160万円から154万円で済むようになります。
一般に、燃料や原材料の輸入が多い業種は、円高でコストが下がりやすいと言われます。
たすく同じ「円高」のニュースでも、会社によって追い風にも向かい風にもなるんだ!
会社の「想定為替レート」を見る
会社は1年間の業績見通しを出すときに、
為替の前提となる「想定為替レート」を置いています。
| 会社 | 2027年3月期の想定為替レート |
|---|---|
| トヨタ自動車 | 1ドル=160円 |
| ホンダ・マツダ・SUBARU | 1ドル=155円 |
実際の為替がこの想定より円高になると、
「業績が見通しを下回るのでは」という懸念から株が売られやすくなります。
2026年9月8日には、円高を受けて日経平均が1,130円安となり、
トヨタは4.1%安でした。
下がった理由を切り分ける
- 為替の見通しだけで売られたのか(為替が落ち着けば見直される可能性がある)
- 為替の影響が、本当に利益を大きく削るのか(想定レートとの差、海外売上の比率、現地生産の割合で影響の大きさは変わる)
- 為替と関係なく、事業そのものに問題が出ていないか
これは、メイン特典の④「決算がよかったのに売られた銘柄を見る」とまったく同じ考え方です。
④ 原油・物価・金利:インフレと金利はつながっている

原油の値段が株価に届くまでには、いくつかの段階があります。
WTI原油は2026年の年初から約6割上昇しました。背景には、アメリカとイランの軍事衝突と、ホルムズ海峡を通る船のリスクがあります。
原油はガソリンだけでなく、物流費、電気代、プラスチックなどの原材料を通じて、幅広い商品の値段に影響します。
エネルギー価格が消費者物価に表れるまでには、通常1〜3か月ほどの時間差があると言われます。
中央銀行は物価を安定させる役割を持っています。7月まで政策金利を据え置いてきたFRBは、9月は利上げを検討する状況になっています。日本でも、日銀が利上げを急ぐ理由のひとつとして、原油高による物価上振れのリスクが挙げられています。
金利が上がると株がどう動きやすいかは、次の⑤で説明します。
原油は動きの激しい商品です。9月11日には、ホルムズ海峡をめぐる協議の報道を受けて、WTIが1日で3.4%下がりました。「上がり続ける」と決めつけないことも大切です。
中東情勢の背景は、中東情勢の歴史を解説した記事にまとめています。
⑤ 金利と株価:なぜハイテク株は金利に弱いのか
質問者金利が上がると、どうしてハイテク株が下がりやすいの?
たすく一番の理由は、金利が上がると、借金が増えちゃうからだよ!
一般的に、金利が上がると住宅ローンなどが
増えるのはなんとなくイメージがつくと思います。
企業も経済活動を行うために、銀行からお金を借ります。
そのため、金利が上がったら、返済する金額も増えます。
たすくピンと来た方もいるのでは?!
そうです。金利が上がるということは、
企業がお金を借りることに抵抗がでてしまいます。
そうなると経済活動が停滞するかも?
と懸念されて、株が売られるわけです。
もちろん絶対ではありませんが、
このような流れで、売られる傾向にあります。
⑥ 金利と債券:利回りが上がると、持っている債券の価格は下がる

債券のしくみ
債券は、国や会社にお金を貸す証書のようなものです。
持っている間は利息を受け取り、満期になると貸したお金が戻ってきます。
金利と債券価格はシーソーの関係
金利と債券はシーソの関係にあります。
金利が上がったら、債券価格は下がり、
金利が下がったら、債券は上がります。
下に米国の10年国債と米国債券AGGのチャートを載せます。
①米国10年国債

②米国債券(AGG)

見て頂くとわかる通り、見事にチャートが逆の値動きをしてますね。
このように債券価格が下がるので、利回りが上がるんです。
これから買う人には、魅力が増す
逆に言えば、金利が上がったあとに買う人は、高い利回りを満期まで受け取れます。金利が上がる局面では、人によっては債券が選択肢に入ってきます。
- 満期の前に売ると、価格が変わっている可能性があります
- 外国の債券には、為替の影響があります
先ほど、紹介したAGGという債券は米国のETFで、
株よりもリスク低いのが特徴です。
そして、利回りは現在4%を越えているので、
正直、高配当株よりもいいですよね笑
個人的にリスク許容度が低い方であれば、チェックしてみても
面白いかもしれません。
⑦ 優待株・高配当株への影響
金利上昇で、恩恵を受けやすい業種と負担が増えやすい業種
一般に、次のように言われます。
| 業種の例 | 理由 | |
|---|---|---|
| 恩恵を受けやすい | 銀行・保険など | 貸出や運用で得られる利ざやが広がりやすい |
| 負担が増えやすい | 借入の多い会社(不動産、REITなど)、成長株 | 借入コストが上がる/将来の利益の今の価値が下がる |
たすく僕がずっと発信していた業種だね!
実際の影響は会社ごとの事情で大きく変わります。業種だけで判断しないことが大切です。
優待株を見るときの視点
- 円高になると、輸入の多い会社はコストが下がり、輸出の多い会社は利益が減りやすい。同じ優待株でも、本業の中身によって影響が逆になります
- 相場全体が下がる局面では、業績は変わらないのに株価だけ下がる優待株が出てきます。メイン特典の①「過去の平均配当利回りと今を比べる」が、そのまま使える場面です
そして優待は一般的にインフレに弱いです。
優待は高配当のように増配がほとんどないので、
使わなければ、インフレ負けします。
そのため、優待は届いたら、せっせと使っていくのが
いいかなと思います、
まとめ:ニュースを見たら、この表で考える
| ニュース | 起きやすいこと | 確認したいこと |
|---|---|---|
| 日銀が利上げ | 円高になりやすい/預金やローンの金利が上がりやすい | 持ち株は輸出と輸入のどちらが多いか、借入は多いか |
| アメリカが利上げ | ドル高・円安になりやすい/米国株、とくにハイテク株の重しになりやすい | 持っている米国株や投資信託の中身 |
| 円高が進む | 輸出企業の利益が減りやすい | 会社の想定為替レートとの差 |
| 原油が上がる | 物価が上がり、金利を下げにくくなる | 燃料や原材料のコストが大きい会社か |
| 為替介入 | 一時的に急な円高 | 金利の差など、根本の要因が変わったか |
| 株価が全体に下がる | 良い会社も一緒に下がる | 自分の物差し(過去の平均配当利回りとの比較) |
下がる局面こそ、「自分の物差し」
ここまで、金利・為替・原油・株・債券のつながりを見てきました。
ただ、どれだけ理屈を知っていても、明日の株価を当てることは誰にもできません。大事なのは、相場が動く理由を知ったうえで、「この銘柄を、この水準になったら、これくらい買う」という物差しを、下がる前に決めておくことです。
たすく決めていないと、下がったときに怖くて買えないか、慌てて買いすぎちゃうんだよね。
- この記事で「なぜ下がるのか」を知る
- メイン特典『僕が株を買うときに意識している5つのこと』で「どこで買うのか」を決める
この順番で使ってみてください。
免責
本記事は筆者個人の考え方と一般的な仕組みを紹介したものであり、特定の銘柄・債券・通貨の売買を推奨するものではありません。投資の最終判断はご自身の責任でお願いします。記載の数値・情報は2026年9月14日時点の報道等にもとづきます。計算例は、税金や手数料を考慮していない簡略化したものです。
出典
- 日銀 9月会合で1.0%→1.25%の方針:日本経済新聞/共同通信
- 日銀 6月に1.0%へ引き上げ:第一ライフ資産運用経済研究所
- FOMC・米政策金利・利上げの見方:第一ライフ資産運用経済研究所
- 7〜8月の為替介入:日本経済新聞
- 9月の円高と理由:ICHIZEN CAPITAL
- 日銀の利上げだけでは本格的な円高になりにくいという見方:外為どっとコム
- 9月8日の株式市場・想定為替レート:日本経済新聞/日本経済新聞
- 原油の年初来上昇・物価への波及:世界市場レポート
- 9月11日のWTI下落:FXStreet
- 9月14日のAI関連株の下落:CNN
